小説版『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』の続編として描かれたのが小説版『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』です!
閃光のハサウェイ(小説版)の映画化に先駆け、今回の記事では各巻のネタバレありで簡単なあらすじをご紹介します!
また、閃光のハサウェイ(小説版)の魅力や登場人物もご紹介します!
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閃光のハサウェイ(小説版)の登場人物は?

出典:https://www.gundam.info/news/games/news_games_2012...
物語を彩るのは、その物語の中で動く登場人物たちですね!
まずは、閃光のハサウェイ(小説版)に登場する魅力的な登場人物達をご紹介します!
ハサウェイ・ノア(マフティー・ナビーユ・エリン)

出典:https://pt-fullahead.com/?pid=133629201
本作の主人公。連邦軍大佐ブライト・ノアの長男で植物監査官候補として登場しますが、その正体は反地球連邦組織『マフティー』のリーダー、マフティー・ナビーユ・エリンその人であり、地球連邦首脳の暗殺を実行していました。
植物監査官候補の研修として地球に降下する『ハウンゼン』に搭乗した際、後の敵として立ちはだかるケネス、どこかクェス・パラヤを思い出させるギギに出会います。
ケネスと友情を深め、ギギに心惹かれながらもハサウェイはΞ(クスィー)ガンダムを駆り、ケネス率いるキルケーユニットとΞガンダムの兄弟機『ペーネロペー』のパイロットであるレーン・エイムと戦いを繰り広げていきます。
ギギ・アンダルシア

出典:https://dengekionline.com/elem/000/001/631/1631468...
本作のヒロイン。ハサウェイが『ハウンゼン』で出会った、透き通るような白い肌と金髪をもつティーンエイジャーの少女です。大保険会社の創業者で大富豪のカーディアス・バウンデンウッデンの愛人で、ホンコンのアパートメントでカーディアスを出迎える準備を整える為、一足先に地球に降りる為ハウンゼンに乗り込んでいました。
勘が鋭く、未来予知のようなことが出来る能力があります。その能力は初対面でハサウェイがマフティーだと言い当てる、ケネス達の作戦に有利な場面を作るなど作中幾度も出てきます。
ケネス・スレッグ

出典:https://gaccha.jp/catalog/nexa/69245
ハサウェイ達マフティーと敵対するキルケーユニットの指揮官を務める地球連邦軍の士官です。階級は大佐、戦闘指揮の時乗馬鞭を振るうという独特の癖を持っています。
マフティー討伐の任を受け、地上に降りる為ハウンゼンに乗り込んだ際ハイジャックに遭遇し、そこで共にハイジャックを鎮圧したハサウェイに興味を抱き、友情を深めていきます。
マフティーとの戦いの中でハサウェイがマフティーだと確信し、連邦政府首脳の腐敗を目の当たりにして苦悩するも、自らの職務に従いマフティーによるアデレート空爆作戦を阻止します。
レーン・エイム

出典:https://dengekionline.com/elem/000/001/664/1664774...
Ξガンダムの兄弟機である『ペーネロペー』のパイロットを務めるキルケーユニットに所属する強化人間の青年士官です。
最新鋭モビルスーツを任されるだけあり腕前は確かですが実戦経験が少なく、Ξガンダムとの初戦ではライフルを囮にされ至近距離からのミサイルの直撃を受けて中破。ケネスから託されていた人質をハサウェイの挑発に乗り勝手に解放するなど失態を重ねてしまいます。
しかし、戦いを重ねるごとに人間としてもパイロットとしても大きく成長していきます。
ブライト・ノア

出典:http://gundamlog.com/archives/49518223.html
ハサウェイの実父で、地球連邦軍大佐を務めています。作品終盤でケネスの増援として地球に降下します。
この頃のブライトは軍を退役し、妻のミライと共にレストランを開くという目標を持っており、市井の中で英気を養いながら自分の経験を活かして政治家になろうかとも考えていました。
クェス・パラヤ

出典:https://www.amazon.co.jp/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%...
ハサウェイの初恋の少女で、作中時点ではシャアの反乱の時に故人となっています。
閃光のハサウェイ(小説版)では『逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』の設定が採用されているのでチェーン・アギが存在せず、クェスを撃墜したのはハサウェイということになっています。
作中でも度々ハサウェイの夢に現れ、ハサウェイを苦しめています。
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閃光のハサウェイ(小説版)のあらすじやネタバレ!
この項では閃光のハサウェイ(小説版)の簡単にまとめたあらすじと一部ネタバレがあります!
それでもよろしい方は続けてお読みください。
・上巻
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宇宙世紀105年、シャアの反乱から12年経った地球連邦政府は大きな敵がいなくなった結果腐敗を極め、連邦政府高官など特権階級に所属する人々は地球の汚染を進め、反面『人狩り』と呼ばれる強引な手段で民衆を宇宙に送り込んでいました。
そんな中、『マフティー・ナビーユ・エリン』という正体不明な人物が率いる武装組織『マフティー』が腐敗した特権階級をモビルスーツで粛清するという事件が起きていた。
地球連邦軍大佐ブライト・ノアの息子ハサウェイは植物監査官候補であり、その正体は反連邦組織『マフティー』の首魁『マフティー・ナビーユ・エリン』でした。
植物監査官候補の研修という名目で地球に降りる為ハウンゼンに乗り込んだ際、そこで後に敵対する地球連邦軍大佐ケネス・グレッグと、初恋の少女クェス・パラヤを思い出させるギギ・アンダルシアと運命的な出会いを果たします。
ハウンゼンのハイジャックを共に防いだ縁でケネスに興味を持たれたハサウェイは、彼と友情を深めていき、ギギに惹かれる自分を感じていましたが……。
上巻の見どころはやはり主要登場人物であるハサウェイ・ギギ・ケネスの三人の出会いですね!
表向きは植物監査官候補で本当はマフティーであるハサウェイ、マフティー討伐の任務を受けているケネス、大富豪の愛人であるギギ、と立場も性別も異なる三人が不思議な縁で結びつくことで、後々の展開に重みが出てきます。
もう一つの見どころは主人公機『Ξ(クスィー)ガンダム』にハサウェイが乗り込む場面ですね!
隕石に偽装したΞガンダムに空中でモビルスーツを使って接触して乗り込むという、歴代ガンダム主人公の中でもトップクラスに危険な方法で、ハサウェイはクスィーに乗ります!
その後の単独飛行できるΞガンダムで空中戦を展開、グスタフ・カールを撃墜しレーンが駆るペーネロペーもビームライフルを囮にして至近距離からミサイルを叩きつけるという方法で中破に追い込みます。ここら辺の描写を映画で早く見てみたいですね!
・中巻
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Ξガンダムを無事受領したハサウェイ達マフティーは次の目標をオーストラリア大陸オエンベリに定める。ハサウェイがケネスの元に居た時に聞いたオエンベリに集結しているというマフティーを騙る私設軍と、それを討伐に出撃したキンバレーの部隊を偵察しに行くためでした。
そこでハサウェイ達が見た物は、非武装の集団すら容赦なく残虐な方法で殺された人々の姿でした……。
一方、ケネスの元に残っていたギギも本来の目的であるホンコンのアパートメントに向かいました。パトロンであるカーディアス・バウンデンウッデンを出迎える準備を整える為でした。必要最低限の準備を終えたギギは、カーディアスとの今生の別れを覚悟して旅立ちます。
ハサウェイとケネス、二人の男性の行く末を見届ける為に……。
この巻ではハサウェイとケネスの戦いにギギが本格的に介入するのが特徴的ですね!
中巻はギギを中心として描かれており、ギギの心情や考えを知ることが出来ます。
ホンコンから旅立ったギギはまずケネスの元に身を寄せ、そこで彼女の生来持つ勘の鋭さによって幾度もケネスやキルケーユニットに有利な状況を招き寄せ、幸運のお守りのような存在となっていきます。
しかしそれはハサウェイ達を苦しめる行為であることに気づいたギギは、彼女の無意識の選択により、ハサウェイの元に行くことを決意します。
ハサウェイが理想とする象徴のマフティーと現実のハサウェイ自身のギャップに思い悩む場面が多く、シャアのように組織の象徴やカリスマに徹しきれないありふれた青年としてのハサウェイを見ることが出来ます。
・下巻
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オーストラリア大陸南部アデレートで開催される地球連邦中央閣僚会議の為に現地に入ったケネスは、閣僚達に辟易しながらもマフティーの襲来に備えていた。
その最中、マフティーより出された宣戦布告声明を見たケネスは、逆光で顔が見えない中でもテレビに映るマフティー・ナビーユ・エリンがハサウェイ・ノアだと確信します。
一方、潜伏していたエアーズ・ロックに接近してきた連邦軍機を鹵獲した際にギギと再会したハサウェイでしたが、彼の夢の中にクェス・パラヤが現れハサウェイを苦しめます。
悪夢から覚めた後、監視の名目で同じテントに寝泊まりしていたギギと語らうハサウェイでしたが、殊更にマフティーという象徴として主義者として振る舞うハサウェイと、ハサウェイ個人の幸せを願うギギとの間には確かな溝が出来ていました。
ハサウェイ、ケネス、ギギ――三人の苦悩と想いをよそに閣僚会議が、マフティーのアデレート襲撃が始まってしまい……。
ここからは作品の大きなネタバレが含まれる恐れがあるので、それを承知でご覧ください。
この巻ではハサウェイとケネスの戦いに決着が着き、閃光のハサウェイで最も賛否が分かれた場面、ハサウェイの処刑があります。
アデレートで開催される地球連邦閣僚会議に集まる連邦高官を粛清しようと作戦を開始したハサウェイ達は二度の爆撃を敢行します。
一度目の爆撃では犠牲を出しながらも成功を収め、ハサウェイはオーストラリアから脱出する味方を逃がす為に二度目の爆撃を行います。
一度目の戦闘で機体に支障を残していたペーネロペーに対し終始有利に戦い続けていたハサウェイとΞガンダムでしたが、ケネスが用意していたビーム・バリアーの罠にかかり、Ξガンダムは機能停止に追い込まれ、ハサウェイも虜囚の身となります。
ハサウェイへの裁判も認められず、反地球連邦組織への見せしめとばかりに銃殺刑を言い渡されます。
傷が立ち上がれる程度に回復したハサウェイは連邦軍が徴用している屋敷に連れていかれ、そこでケネスの立会いの下、銃殺刑が執行されようとしていました。
「……いつまでも友達だと思っている。わすれないぜ?」
「ああ、ぼくもだ。大佐……」
敵対しながらも二人の間に蟠りはなく、ケネスの号令によりハサウェイはその人生を終えてしまいます。
主人公の処刑という、あまりにも惨い結末で物語が終わりましたが、ここから更に読者を追い込むかのように悲劇が続きます。
マフティーの反乱の最中、連邦上層部の腐敗ぶりに嫌気がさしていたケネスは、アデレート襲撃の件を防ぎきれなかったことを理由に、軍を退役します。
その後任としてハサウェイの実父ブライト・ノアが収まることを知ったケネスは、ハサウェイの処刑を自らの最後の仕事として行うことでブライトにマフティーの正体を隠し通すことにします。
その努力により、ハサウェイの処刑はブライトに知られることなく終わり、ケネスは失意のギギを連れてアデレートを立ち去ります。
ダバオに辿り着いたケネス達は軍の目から逃れるために偽名でホテルを借り、ハサウェイを殺してしまったことへの悲しみに襲われながら一夜を明かします。
そして次の日の朝、ギギが持ってきた朝刊にはケネスが隠し通した筈のマフティーの正体が暴露され、その処刑をブライトが実行したという記事が掲載されていたのです。
実はハサウェイの処刑の前日に、ケネスはメジナウム・グッゲンハイム大将にハサウェイの正体を零してしまったのです!
大将に会う直前に処刑される友の親であるブライトと会っていたケネスは精神的に参っていた為、思わずグッゲンハイム大将に話してしまったのです!
内密にしてくれというケネスとの約束を破り、グッゲンハイムはその情報を利用したのです。
子殺しの濡れ衣を着せられたブライト、友人の死を穢されたケネスとギギが残されるという、あまりも救いの無い最後で『閃光のハサウェイ』は幕を閉じてしまいます……。
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閃光のハサウェイ(小説版)の魅力を紹介!
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全体的にシリアスで、救いの無い最後で終わる閃光のハサウェイ(小説版)ですが、それでも長い間アニメ化を望む声があるほどの、魅力ある物語です!
では、その魅力とは何か?
一つ目はやはりケネスとハサウェイの敵味方を超えた友情ですね。
ハサウェイは上巻の時点で、ケネスは下巻でお互いが敵対する相手だと知りますが、お互いに憎しみを抱くことも無く、むしろ敬意を持って敵対していきます。
友人だからこそ殺し合ってはいけない、という考えではなくお互いに対等な友人であると考えているからこそ相手もまたすごい奴であってほしい、とお互いに想いながら二人は敵対します。
二つ目は、Ξガンダムとペーネロペーですね!
ガンダムシリーズの歴史は、言い換えればモビルスーツの歴史でもあります。
特に宇宙世紀(UC)シリーズは初代ガンダムから多くの続編・外伝に枝分かれしているので、そのモビルスーツの数は膨大かつ複雑に絡み合っている為、俗にいうMSV(モビルスーツバリエーション)が造られ、数多くの機体が産み出されてきました。
Ξガンダムはνガンダムの後継機という位置づけの機体ですが、全体的なデザインやコンセプトはZZガンダムやSガンダムに近いものを思わせます。
実際、GジェネレーションシリーズではZZ系列機と地続きで開発することが出来る場合が多いです。
ZZガンダムが開発された頃のモビルスーツのコンセプトは『万能機』とされ、巨大化に伴い多機能を追求した機体が求められ、俗にいう『MSの恐竜的進化』と呼ばれていました!
Ξガンダムとペーネロペーはその最終進化と言ってもよいハイ・エンド機であり、サイコミュの搭載・小型化したミノフスキークラフトにより非変形機体にも関わらず大気圏を単独飛行可能・高火力高出力という(ユニコーンガンダム等を除く)宇宙世紀最強クラスの機体として存在しています!
そんな2機が縦横無尽に戦場を飛び交い戦う姿が小説では描かれており、この小説が映像化される声が多かった理由だと思います。
最後に、閃光のハサウェイ(小説版)の原作者が富野由悠季監督であることです!
ガンダムシリーズの生みの親である富野監督は、ガンダムシリーズを一番よく知っている人物でもあります。ガンダムシリーズの没設定や裏設定も知る富野監督が『逆襲のシャア』の続編として閃光のハサウェイを発表したのです。
登場人物の会話の所々に富野監督独特の言い回し(いわゆる富野節)が窺えるのも、魅力の一つですね!
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まとめ
如何だったでしょうか?
閃光のハサウェイの映画化が決定したことによって、小説の方に関心を持つ新しいファンの方も多い事でしょう。
そして、小説を持っているもしくは読んだことのあるファンの方々は映画化に向けて色々と気になる部分が出てくることだろうと思います。
そこで、再び内容を確認したいと考えて小説版を買い求める方も多いでしょうね!
しかし、閃光のハサウェイ(小説版)は1990年頃に発売してから新装版は出ていないので、現在は中古品を買うか、KADOKAWA直営サイトの電子書籍で読む以外方法はないと思います。
紙媒体で読む場合は暫くは古本屋やネット通販の中古品も品薄か、以前よりも高価な可能性があるので購入する際はよく考えてから購入しましょうね!